まずは、本作品を楽しみに待っていてくださった方々に、お詫びと感謝の言葉を。お待たせしてしまって大変申し訳ありませんでした、そして手に取って聴いてくださり本当にありがとうございます。【事情を知らない方への解説】冬コミリリース予定でしたが、マシントラブルで落としてリリースが一ヶ月延期になってしまいました。解説おわり。そして歌詞カードに書かれたURLをぽちぽち入力してまでこちらのページに飛んできていただき、ありがとうございます。純粋に楽曲を楽しみたい方には不要な情報かもしれませんが、サークルペーパーや副読本的な内容となっていますので、ご興味をお持ちの方は読んでやってください。
本作品を制作するにあたり、「ドールたち各々の見つめる世界」という統一テーマを作品の軸に据え、各曲に反映させる形で表現しています。カティア、マドレーヌ、小明、しめじ、ささらには、それぞれ世界がどんな風に見えているのか(見えていたのか)、その見つめる眼差しの先には何が映っているのか、ということを意識して歌詞を書き、曲をつけています。「歌詞のこの部分がこうこうで......」と、すべてを明示してしまうのは野暮というものなので各曲解説では言及していませんが、そういった観点を持って作品を聴いていただくと、また違った響き方がしてくるかもしれません。
本作品は「同人キャラクターソング」と銘打っていますが、実際の歌唱はVOCALOIDの初音ミクであり、声色もキャラクターに一切寄せたりしていません。「キャラクターの声で歌ったものがキャラソンだ」という方からすると、不満に思われてしまう内容かもしれません。そういった意味では、本作品は「イメージソング」であり、「キャラクターソング」ではないのかもしれません。しかし、キャラクターソングというものの本質は、声に頼らずともキャラクター像が浮かび上がってくる歌詞および楽曲であると、わたしは思っています。そういったものを目指して書いたつもりですが、あくまで「つもり」ですので、達成できているかどうかは、聴いていただく方々それぞれに委ねたいと思います。公式のキャラソンと比べてしまうと技術的に劣る内容かもしれませんが、「聴いているうちにキャラクターの声で響いてきた!」という方が一人でもいらっしゃったのなら、大変嬉しく思います。
苦労の末に形を成した楽曲というものは、作り手からすると自身の子供のような存在であり、その子供たちに日の目を見せてあげることができたことを、大変喜ばしく感じています。特に今回は、制作環境の悪化を乗り越えてようやくのリリースということもあり、その喜びもひとしおです。拙い部分も多い作品ではありますが、少しでも楽しんでいただければ、『ファンタジスタドール』への愛情を感じ取っていただけれいただければ幸いです。